2015年3月19日木曜日

樹木鉛筆 BOSCO wood pencils - 鉛筆メーカーさんに

プロモーション動画です。           

商品開発スタッフの飯田です。

前回の続きです。
新入学シーズンまで鉛筆製造は忙しく、「樹木鉛筆」のような特注品は仕事が落ち着くまで対応できないということですが、それにしても、依頼していたトライの結果がなかなか出てきません。

鉛筆メーカーは大手は別として、木工加工専門と塗装・印刷専門に分業しているとのことで、私がトライをお願いしていたのが、塗装専門のメーカーさんだったようです。
トライ結果の話がぜんぜんないのは、コーリン鉛筆の苦労話が木工メーカーさんにとっては伝説になっていて、「樹木鉛筆」とい名称が禁句だったかもしれません。

そんな鉛筆業界の常識も伝説も知らない私は、製造の糸口を探して大田区の鉛筆メーカーのほとんどに問合せをしましたが、見事なぐらい相手にされませんでした。

大いに凹んで諦めかけたときに、埼玉にあるウエルビー鉛筆の谷口社長がトライを引き受けてくれるとの嬉しいお言葉があったのです。感謝感激です。
トライ用に機械の調整をしていただき、鉛筆の芯をはめ込む浅い溝を削ってみましたが・・・・
想像を超える、金属を削っているような音がします。
カッターの刃が焼きつく雰囲気がプンプンしています。
普通じゃない雰囲気だと言えば伝わるでしょうか。

これは、トライ用に用意した木材の加工をする条件が悪過ぎるということです。
家具に使われる、チーク、オールナット、ローズウッド、ケヤキなどと、いかにも丈夫で硬そうな木材が揃っています。

一般の鉛筆用の木材は、柔らかい杉材の種類が選ばれます。
そのうえ、木材にロウを染み込ませて削りやすくなる処理がしています。
しかしトライした木材は、家具で使う硬いものであるうえに、ロウ処理もしていないから、カッターから悲鳴のような音が出るのも納得です。

さらに時代は流れてしまい、ロウ処理をした鉛筆用板材は海外から100%の調達です。
そのため、鉛筆用にロウ処理を引き受けてくれるところが、国内にはありません。
そしてダメ押しは、消せるボールペンの技術を使った「消せる色鉛筆」が売れに売れて、鉛筆メーカーが協力して生産対応しているから、「樹木鉛筆」をやっている時間がないとのことです。

このような状況と技術的課題が山積みで、鉛筆メーカーにて「樹木鉛筆」を製造することを諦めることになりました。

これがテレビドキュメンタリーならば、
「20年前の出来事が、コーリン鉛筆の奇跡として刻まれたときを見たということになりますかね。

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